この10年、介護保険制度の導入により高齢者介護は確実に発展を遂げてきました。特に「高齢者の尊厳を支えるケアの確立」を目指して、地域包括ケア体制や地域密着型サービスが体系化されたことは、「年老いても、認知症になっても、住み慣れた地域で安心して暮らせる」という支援目標が明確になり、「利用者本位」の実現への大きな一歩だったと言えます。
 私たちグループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、いつも認知症の人の24時間、一瞬一瞬の姿に目線を置き、多くを認知症のご本人や家族から学び、利用者の生活支援と自己実現を支える担い手として、その役割を懸命に果たしてまいりました。その中で、グループホームにやりがいを感じ、認知症介護を通して人間的な成長や地域の絆という豊かな財産を得ることができました。
 しかしながら、一方で、これまで共に暮らしてきた認知症の方々の重度化とそれを支える職員の疲弊や介護人材の課題は日に日に大きくなっており、グループホーム等にかかわる制度等のあり方やしくみの見直しは「待ったなし」の時期にあると考えます。
 これからの10年に向けて、認知症の人が地域で暮らし続けることを支える住まいとして、また地域や時代の多様なニーズに対応し得る必要不可欠な社会資源として、下記の通り、未来のグループホームの姿を提案して参ります。

1)地域密着型サービスの名の通り、生まれ育った、あるいは住み慣れた地域の中で、認知症の人や家族の暮らしを人生の最期まで支え続けるための「自宅に最も近い“新たな住まい”」としてのグループホーム

1)地域密着型サービスの中で、医療や他の介護保険サービスを有効に活用し、認知症の疾患や進行ステージ、重度化(認知症の進行や身体機能の低下、身体合併症の増加等)や看取りに応じた高機能のサービスを一体的に(包括的)に提供できるグループホーム

1)地域包括ケア体制の中で、家族や地域の多様なニーズに応え、認知症介護の相談、徘徊の見守りや認知症サポーターの育成、さらに障害者や子どもたちとの支援等、地域づくりの拠点になれるグループホーム

1)認知症の人と家族とともに学びながら、豊かな介護人材の育成と蓄積を図り、介護職員がやりがいと安定した生活を営めるグループホーム
  
感謝

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